猫がネズミを食べて感染する病気について調べてみた
猫がネズミなどの小動物などを食べて感染する病気がいくつかあります。
その中でも人獣共通の感染症もありますので問題になることもあります。
猫がネズミを食べて感染する病気
猫は狩りをする動物なのでネズミ・鳥・トカゲなどの小動物は格好の標的になります。
猫がそれらの小動物を食べたり咥えたりすることで寄生虫に感染するリスクが高くなります。
完全室内飼いであれば直接関係がないかも知れませんが、外に出歩く猫には少し注意が必要です。

寄生虫の卵は動物の体内だけではなく、土の中や水たまりに潜んでいる場合もあります。
中には妊娠中の女性に感染すると胎児にダメージを与えるものもあるので要注意です。
1 猫のトキソプラズマ症
トキソプラズマ症は「トキソプラズマ」という寄生虫に感染することによって発症します。
感染猫の糞と一緒に排泄された※オーシストが口に入ることで感染します。
他にもトキソプラズマに感染した小動物の補食や、豚肉や鶏肉を生で食べることで感染します。
トキソプラズマのオーシストは非常にタフで、土や水の中で数ヵ月~数年は生存することができます。
※卵(カプセル)のようなもの

トキソプラズマ終宿主は猫科の動物で、健康な成猫が感染しても概ね無症状で一生を終えます。
ただ免疫力が低下するような病気がある場合や、抵抗力の弱い子猫は重症化する恐れがあります。
人間に感染しても概ね無症状ですが、妊娠中はじめて感染した場合には胎児に悪影響が及ぶ可能性があります。
先天性トキソプラズマ症は妊娠の数ヵ月~妊娠中にはじめてトキソプラズマに感染することで起こります。
時期 | 胎児への影響 |
---|---|
6ヵ月前 | 既に母親が妊娠6ヵ月前に感染している場合には胎児への影響はないとされています。妊娠前の女性はトキソプラズマに対する抗体があるかどうか調べておくとよいでしょう。 |
妊娠初期 | 胎児への感染は少ないが症状が重く、流産になることもあります。 |
妊娠後期 | 胎児への感染は多いが症状が軽い。 |
兆候 | 先天性トキソプラズマ症の4大徴候して水頭症、視力障害、脳内石灰化、精神運動機能障害がみられます。速やかに母親を治療することによってそれらの発生を減らすことができます。治療しなかった場合には成長とともに兆候が現れることがあります。 |
備考 | 参考サイト「横浜市衛生研究所:トキソプラズマ症について」「国立感染症研究所:トキソプラズマ症とは」 |
トキソプラズマ症を予防するには
毎日猫のトイレを掃除すること
トイレの掃除をしたらよく手を洗うこと
生焼けの肉は食べない(猫にも与えない)
妊娠中の女性が生肉を扱うときはゴム手袋を着用すること…など
猫のトイレを清潔にし、しっかりと手洗いをしていれば感染を防ぐことができます。
妊娠期間中はトイレ掃除を旦那さん代わってもらうのもよいと思います。
家庭菜園などで庭の土に触れる際にもゴム手を着用するのがよいと思います。
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2 猫のエキノコックス症
エキノコックス症(多包条虫症)は猫がエキノコックスという寄生虫に感染することで起こる病気です。
エキノコックスの終宿主は北海道に生息しているキタキツネやイヌ。おもな中間宿主は野ネズミです。
おもに猫がエキノコックスに感染した野ネズミなどを捕食することで感染します。
おもに北海道でみられるものでしたが、最近では本州でもいくつか感染例があるようです。

猫がエキノコックスに感染しても一時的に軟便や下痢がみられる程度です。
しかし人間に感染すると数十年潜伏した後に重度の肝障害を引き起こすことが知られています。
エキノコックスが生息している地域では猫の放し飼いをしないよう注意しましょう。
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3 猫の条虫症
猫の条虫症は猫条虫(サナダムシの仲間)に感染することで起きる病気です。
猫が条虫に感染したネズミやカエルなどの小動物を捕食することで感染します。
条虫症では食欲低下、嘔吐下痢、腹痛などがみられますが、寄生数が少なければ無症状です。

ちなみに「瓜実条虫」はノミを媒介として猫に感染します。
条虫症と瓜実条虫の駆除には駆虫薬を投与し、瓜実条虫の場合にはノミの駆除も行います。
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まとめ
ネズミから感染する寄生虫には人間に重大な被害を与えるものがあります。
エキノコックスが広く分布する地域では猫の放し飼いを控えること。
妊娠前の女性はトキソプラズマの検査を行っておくのがよいでしょう。
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